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しなやかな組織づくり~次世代の経営・マネジメント~ 第1弾

新時代におけるビジネスマンの『専門性』とは

「新規事業が必要だ」とは様々な企業で聞かれる言葉です。しかしそう簡単に「新規」は生まれません。そもそも「新規」といってもゼロからすべてつくるものとは限りません。アイデアなのか、商品なのか、事業なのか・・・何を持って「新規」とするかという議論もありますが、ここでは「新しさ」「新規性」はどのようにすると生まれやすくなるのかを考えてみましょう。

ややざっくりした表現ですが、本質的には「新規」といわれるものは、新結合、新しい組み合わせによって生まれてきます。そう考えると「知」が、研究やノウハウが集積した上に多く存在した時代に比べると、インターネットが発達し、情報検索が格段にしやすくなった今、「新しい知」は集積や蓄積の上に成り立つものばかりではなく、点と点がつながる接点のようなところから生まれていることが見えてきます。その一例が顧客との関わりであり、あるいは、クラウドソーシングのような緩い無数の点が存在するようなところです。 この世界では「専門」という定義も変わってきます。一般的に専門性が高いというと、ある分野の知識や経験に長けていることを指します。もちろんそうした専門性が必要な部分も多くあります。一方、仕事を進める、新しい領域を開拓する、といったことの「専門家」に必要なのは、必要な“リソース”をよいタイミングで引っ張ってきて、あるいは巻き込むことによって関わり、組み合わせていくことです。必要な“リソース”が何であるかを判断するうえで、その領域の「専門知識」は必要になることも多いでしょう。しかし同等に大事なのは、知識も含め社内外から“リソース”を持ってきて動かしていく力になるのです。

たとえば研究開発も「クラウドソーシング」のようなプラットフォームを使って実施している例もあります。スピード、コスト、知財、ブランド、質、量…様々なものの優先度をつけながら何にせよ手段を選んでいくことになるでしょうが、固定したやり方にとらわれず、最適な方法を見つける事、あるいは、新規の発想を得るためにどうしたらよいかと知恵を絞り、リソースを持ってくること、こうした力が「新規」をやるときには影響してきます。特段の難しい知識はいらないけれども、視野の広さ、見極める力、異質を許容する力、そして自らが判断し、選んでいく力、など複合的な力が必要です。こうした力に長けている人ほど、新時代の「専門性」を身につけていると言えるのではないでしょうか。

著:日本能率協会 KAIKAプロジェクト室 山崎賢司

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