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しなやかな組織づくり~次世代の経営・マネジメント~ 第1弾

人間の性質から考える新時代の仕事のあり方

将来市場を志向する際には、本来人が持つ新しいことへの好奇心を発揮することが、大きな後押しになります。
人類学者の長谷川眞理子氏は、決まった時間に決まった場所で、決まった仕事をするという性質は人にもともとあったわけではないと指摘します。 大昔、人は狩猟採集をして生活しており、食糧を求めて出かけて行きます。人類の長い歴史の中では、 日々会社に規則通りに行く現在のスタイルはごく一部の歴史しか持たず、体や心のメカニズムも完全にそれに慣れているわけではないという見方もあります。 長谷川氏はまた、人はもともと変化を好み、新しいことへの好奇心を持っていると語ります。 旅行で様々な場所に行ってみたい、見てみたいという好奇心は、人間特有の欲求です。 「働き方改革」という言葉が近年とみに注目されています。様々な観点からの議論は深入りせず、一点だけ、人の本性から考えるならば、 組織やチームで共有するのは「目的」であり、「手段」は可変である方が人は創意工夫をしながら目的達成に向かうということではないでしょうか。 同時に、新しい発想を促すには、人が本性に持つ好奇心を発揮しやすい環境づくりが欠かせないということも言えるでしょう。

組織単位になると、人一人の行動メカニズムと完全に一致するわけではありませんが、しかし組織は人の集団で成り立っています。 何が変化しているのか、未知の世界はどのように見に行けるのか、そうした議論が常にあることが活性化をもたらします。 こうした問いや議論が的外れにならないためには、社会から見て自社の役割の意義は何なのかという俯瞰的な視点が必要です。 そもそも経営とは社会を捉え、そこへの関与の仕方を考え実行することが、本質です。社会をどう認識するか、今がどのような社会で、どのような課題が存在しているのか、 あるいは将来の社会にどのような課題が予見されるのかというところから経営は始まります。 もちろん社会を抽象的に捉えてもビジネスにはなりません。何を理念として、社会のどの部分に対して、何を行なっていくかというところが、各社を特徴づける根幹です。 しかし、どの対象に何を行なうかというのは普遍ではありません。対象領域と関係性をつなぎかえ、再構築し続けることが、各社それぞれの社会認識の表れであり、 その行為が経営そのものなのです。

著:日本能率協会 KAIKAプロジェクト室 山崎賢司

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