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人を育てる職場風土を創り出す【第4回 人が育つ職場とは?】

「人の成長」と「職場」

第3回では、ンバー間の「対話」に焦点を当て、相互に気づきを与え合う関係性に着目した人材育成について述べた。こうした気づきを与え合う「メンバー相互の関係性」を育むことができるかどうかは、メンバーの実際のアクションに委ねられるだけでなく、メンバーが所属している「職場」の状況に大きく影響を受ける。

第2回では、経験の振り返りによる学習を取り上げ、経験学習を支援することの重要性について考えた。育成の対象を若手社員とした場合、若手社員が経験学習を行う場の中心となるのが「職場」である以上、職場の雰囲気やその場にいる上司や先輩、同僚や後輩との関係は、若手社員の成長に大きな影響を与える。


若手社員の成長を阻害する「職場」の状態とは

もし職場が次のような状態だったら、若手社員が成長する場といえるだろうか。

・挨拶や会話のやりとりがない
・自分の意見が自由に言えない
・周囲のメンバーが困っていても助けようとしない
・メンバー同士互いに興味を示さない
・情報発信しても無反応、または反応が遅い
・上司が人材育成を重視しておらず、関与も少ない

このように、「職場のコミュニケーション」や「メンバー相互の関係性」、「マネジャーの言動」が思わしくない職場には、次のような状態が見られる。

・エネルギーや活気がない、息詰まるような雰囲気
・バラバラな方向を向いていて一体感がない

こうした職場の雰囲気の中で若手社員を育成しようとしても、その成果を期待することはできない。いくら若手社員のやる気を高めても、しだいに職場の雰囲気に飲み込まれ、やる気がそがれてしまう。


「職場風土」に着目する

今回は、「人を育てる職場風土を創り出す」ことに焦点を当てる。

職場には、その職場独特の雰囲気や暗黙の基準があり、職場のメンバーは知らず知らずのうちに、それに見合った行動をとっている。こうした職場に根ざした気風、見えざる掟のことを「職場風土」と呼ぶ。
つまり、職場には、「こうするべき」、「こうするのが当たり前」という暗黙的に共有されている価値観、規範がある。

例えば、職場に「短期的な数値目標や個人目標の達成を優先する」、「既定のやり方を守ることが重視される」といった価値観に基づく行動が評価される風土があるとしよう。メンバーは、そうした価値観に基づく行動を率先して行うようになる。その分、時間がかかり面倒な若手社員や後輩の育成や指導などは後回しにされる。

こうした職場風土に影響を及ぼすことができるのは、マネジャーである。 職場風土に問題が見られるのであれば、その改善や変革の役割を担う主体はマネジャーである。ただし、マネジャーが業績目標の達成にのみとらわれているとしたら、人材育成への関与は、二の次、三の次となる。その場合、マネジャーの意識そのものをリセットして行動変容を促す必要がある。

では、マネジャーを基点として人を育てる職場風土を創り出していくために、どのような点に着目したらよいかを考えてみる。


職場の目的・ゴールと価値観・規範を共有する

職場を構成しているのは、多様な価値観や動機をもつメンバーである。
そうしたさまざまなメンバーが自分勝手に向きたい方向に向き、各自がそれぞれのありたい姿を見つめていたのでは、職場としての求心力を発揮することはできない。

メンバーの目指すべき方向をそろえてエネルギーを束ね、行動や判断のよりどころとなる基準を共有して活動に取り組むことで、職場としての力を発揮することができる。
目指すべき方向を示すものが、「職場の目的・ゴール」である。
そして、行動や判断のよりどころとなる基準となるのが「価値観」や「規範」である。



【職場の目的・ゴールを共有する】
マネジャーが行う職場の目的・ゴールの共有にあたっては、次のことが求められる。

1.職場が直面している状況や課題の認識を合わせる
2.職場として達成したい具体的な状態を明らかにする
3.職場が担う役割を明らかにし、メンバーに共通の目的意識を持たせ、行動を方向づける

マネジャーは、職場としての成果を生み出していくために、人を育てることにエネルギーを投入することを表明するとともに、達成したい具体的な状態のイメージの中に、職場のメンバーが成長している姿を織り込んでいくことが必要になる。職場の目的・ゴールの達成に向けて、メンバーの育成や成長をふまえた職場の構想を描くのである。

職場の目的がメンバー自ら達成したい目的と重なり合い、それがメンバー自身にとっての現実となったとき、メンバーは主体的、能動的にかかわることが可能になる。そして、メンバーは職場における自らの存在意義を見出し、自身の成長とあわせて職場との一体感を感じるようになる。



【職場の価値観・規範を共有する】
職場の価値観・規範は、メンバーが日常的な行動や判断を行う際によりどころとなる基準である。職場のメンバーが複雑であいまいな状況の中で的確に判断し、自律的に行動するためには、こうした価値観や規範を共有することが必要である。

価値観や規範は、「どのような行動が正しくて、どのような行動が正しくないのか」、「どこまでが許容され、どこからが許容されないのか」、「何が適切で、何が適切でないか」といったように、メンバーが判断・行動するときのよりどころとして働くものである。

こうした基準は、個々のメンバーに内在化されていることが多い。そのため、この価値観や規範を職場の中で共有するためには、いったん明示化すること、言葉で表現してみることが大切である。ただし、言葉で表現したとたんに、抽象的になり、本来伝えたい内容が含まれていないように感じる場合もあるだろう。

その際には、単に言葉で表現するだけでなく、「対話」を通じて、その言葉の背後にはどのような意味があるのか、それがなぜ職場にとって大切なのかという思いを伝えることが重要である。また、どのような状況や場面でそれらを適用できるのかについての理解を深めることも必要である。

職場の中にこうした価値観を根付かせられるかどうかは、日常的なマネジャーの言動に委ねられる。マネジャーは、職場の価値観、規範の体現者としてメンバーに実践する姿を見せる必要がある。
職場における人材育成を重視するというマネジャーの価値観に基づく言動は、業務を円滑に進め、より大きな成果を生み出すために、メンバー相互の協力関係や支援関係がどういったものであればよいのか、未来に向けてどのように行動すればよいのかを具現化する。


職場風土に影響を与えるマネジャーの働きかけ

職場風土を変革していくには、相応の時間がかかる。ただし、マネジャーとして、すぐに実行できること、変えられることがある。ここでは、メンバーとの関係性を向上させるいくつかの働きかけを取り上げる。


■メンバーの交わりを促進する
メンバー同士、互いに興味を示していない状態では、関係性などは生まれない。職場のメンバーが互いに興味や関心を示すようになるためには、お互いに貴重で身近な存在であることを共感することが必要になる。
そのきっかけは単純でも良い。趣味や興味や関心の交わり、こだわっている部分の交わり、今の仕事をしている動機の交わりなど、交わる部分をできるだけ多く持つのである。もちろん、マネジャーがそうした交わりを促進するために、自己開示することが前提となる。


■メンバーの感情を開放する
職場でメンバーが息詰まるように感じられるのは、感情を思い通りに表現することを抑制されているとき、身体や心に緊張やこわばりを感じているとき、メンバーが本来のメンバーらしく存在していられないときなど、さまざまな状態がある。
マネジャーは、コミュニケーションを通じてメンバーの状況を把握することで、何にメンバーが息詰まって(行き詰まって)いるのかを感じ、職場が息詰まる場でなくなるようにその要因を排除し、メンバーの感情を開放していく必要がある。


■ポジティブなフィードバックを行う
評価的なフィードバックは日常的によく行われているだろう。できていないことやマイナス面に照準を合わせ、そこに意識を向けるように促すものだ。それによって問題点や不具合に着目させることはできるが、その反面、メンバーの視野を狭めたり、ネガティブな感情を生み出したりする。
一方、プラスの面や良い面に光を当てるのが、ポジティブなフィードバックである。そのフィードバックを受け止めるメンバーにもポジティブな感情を生じさせる。メンバーがしてくれたことに感謝の意を表明したり、メンバーの仕事ぶりを認めたりすることもその一例である。こうした実践の積み重ねが、メンバーとの関係性の改善にじわじわと効くのである。

職場で仕事をすることが楽しいと感じさせ、効力感を生み出すようなマネジャーからの働きかけは、メンバーとの関係性を向上させ、職場風土を変えるきっかけとなる。


職場という「場」の見方と焦点の当て方

職場は、組織図に整然と示されるような硬直的なものではない。職場は壁で仕切られた箱や入れ物でもない。その場で活動する「人」も、単にその場に集まり、仕事の完遂のために能力と時間を切り売りしているわけではない。
職場の固定的な役割や機能、業務の内容、メンバーの能力にとらわれて職場を見ているだけでは、変化し続ける現実の中で対応することは難しい。

職場は時間と空間の広がりをもつ「場」であり、常に流動的で変化し続けている。
そこに集まる「人」は相互に作用しながら、そのエネルギーを交換しながら関係しあっている。職場における人と人との相互作用によって、エネルギーが発揮される場合もあれば、相殺される場合もある。人の組み合わせや仕事の与え方、情報のやりとりの仕方といった日常のマネジメント行動も、こうしたエネルギーの発揮に影響を及ぼす要因となる。

職場における人材育成の施策を検討する際には、「職場風土」を形成する「人と職場」「人と人」「人と仕事」など、それぞれの「あいだ」や「関係・つながり」に目を向けていきたい。

「あいだ」や「関係・つながり」をより活性化させたり、より機能させたりするにはどうしたらよいのかを検討することが重要である。


今回は、「人を育てる職場風土を創り出す」ために「職場の目的・ゴールと価値観・規範を共有すること」に着目し、マネジャーを基点とした働きかけのポイントについて紹介した。

次回は、具体的な事例紹介を通じて「人が育つ職場づくりの実践的な取り組み」に焦点を当てる。





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