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人材育成の現状と課題【第1回 人が育つ職場とは?】

なぜ、人材育成がうまくいかないのか?

この問題に対して、「職場での人材育成」という観点から解決の糸口を探っていく。第1 回では、人材育成の現状と課題について、新入社員育成を題材にして考察していく。

●新入社員は、育たない? 育てられない?

新入社員の育成には、さまざまな問題が提起されている。

代表的なものとしてあげられるのが、“ゆとり世代”に代表される、新入社員の特性論とでもいうべき、「今どきの新入社員」問題、そしてもう1つが、新入社員を育てようとする自覚の不足や、多忙で育てるための時間がとれないといった「新入社員を育てることができない環境」の問題である。

「今どきの新入社員」を語るとき、「安定志向」、「グローバル志向が弱い」、「真面目だが快活さに乏しい」、「ストレス耐性が弱い」など、消極的な面ばかりが強調され、こうした新入社員の特性が育てられない要因として取り上げられることが多い。

また、「新入社員を育てることができない環境」について、産業能率大学で企業の教育担当者を対象に行った調査結果(図表1、2)から、ある特徴が見えてきた。

「中堅社員に求める役割」に対する回答の第1 位が「後輩の育成」となっているが、その一方で、「後輩の育成」を“遂行している” は、わずか2.9%であり、“やや遂行している” と合わせても3 割程度にとどまっている。つまり、後輩育成への期待と実際の取り組み状況には大きな隔たりがある。

図表1 中堅社員に求める役割(複数回答)
図表2 「職場の後輩を計画的に指導・育成する」役割の現在の遂行状況

しかし、「育成できない」という問題は、今に始まった事なのであろうか?

日本産業訓練協会「企業内訓練の効果的な展開」によると、高度成長期である1966(昭和41)年において既に、「職場における人材育成を阻害する要因」として、「実施する余裕がない」、「人を育てるのは自分の仕事ではない」、「教える習慣が身についていない」といった問題提起がなされている。
実は、新入社員や後輩を「育成できない」という問題は、40 年以上も前から存在し続けていたのである。

したがって、「育成できない」理由を「今どきの新入社員」や、「育成できない先輩や上司」だけで捉えているだけでは、いつまでたっても新入社員育成の根本的な問題解決にはつながらないであろう。

では、これらの問題にどう向き合えばよいのか?
私たちが考え出したのは、新入社員「学び方を学ばせる」ことと、「他者との関係性に焦点を当てる」ことである。以降、事例を通じて、この2 点について触れていきたいと思う。

●新入社員フォロー研修をきっかけとした職場での新入社員育成促進事例

ある企業で実施した新入社員フォロー研修の事例を通じて、皆さんと一緒に考えていきたい。この研修では2 つの工夫を施している(図表3)。
1つは、新入社員が配属されてからの実務実践の経験をフォロー研修の場で一緒に振り返り、同期との関係性を深めるとともに、さらなる成長に向けた意識を高め、課題を見出すことである。

そしてもう1つは、研修とその後の実務実践の連動や、先輩や上司との関係性を促進する仕掛けを研修に組み込むことである。それにより、新入社員がより多くの気づきを得ることを狙ったのである。

まず新入社員は、研修の事前課題として、自分が所属する職場や仕事の状況などを図で表した「現在の仕事環境」と、配属されてからの経験や仕事のやりがいを時系列で書き表した「実務実践の振り返りシート」を作成する。これらを研修の場に持ち寄り、入社時以来の再会となる同期社員と、現状や配属後の経験を共有することにより、自分自身の現状の立ち位置を再認識することができる。

さらに、同期のさまざまな経験に触れることで、仕事の内容、仕事に対する考え方、辛かったこと、楽しかったことなど、自分とは異なる環境や考え方があることをあらためて認識することができる。このように「自分自身」を認識し、他者の経験との比較を通じて、新たな視点や、拡大された視野を獲得していくのである。

続いて、日頃指導を受けている先輩からの「手紙」を、新入社員一人ひとりに渡していく。
この「手紙」には、先輩から見た新入社員の「強み」や「弱み」、そして「期待」が書かれている。「手紙」の存在は研修当日まで新入社員には秘密となっており、「手紙」を渡されると、その存在と内容に軽い衝撃を受ける。

しかし、手紙を読んだ新入社員の口から出るのは「ちゃんと自分のことを見てくれている」という素朴なひと言である。この手紙を目にすることで、同期とは異なる視点から、より客観的に自己を知ることが可能となる。そして何よりも、先輩社員から「見守られている」という、大きな励みを得て、つながりを感じることができたのである。

このような同期との振り返りや、先輩からの客観的なフィードバックを通じて、「気づき」や「学び」を得ることができることを理解する。

さらに、先輩への働きかけを促進するために、先輩宛ての「手紙」を作成し、研修後にその「手紙」を直接先輩に手渡し、研修での気づきや学びを報告する。それが、その後の先輩とのコミュニケーションの活性化につながった。
その報告の場で新入社員のこれからの成長の姿を共有し、今後の支援のあり方を話し合い、それが実践されていくという自然な流れの中で関係性が生まれ、日常の職場での育成へとつながっていったのである。

図表3 「新入社員フォロー研修をきっかけとした職場での新入社員育成促進」概要
●「関係性」が新入社員と育成する側の双方を育成

この事例でのポイントは、以下の2 点である。

1 つは、新入社員が仕事での経験を振り返り、そこから気づき、学ぶことの重要性を認識し、「学び方を学ぶ」ことができたこと、それを他者(同期)との「関係性」を通じて行うことで、効果的に行うこと体得できたことである。

さらにこうした「経験の振り返りによる学習」を、先輩からの手紙による「フィードバック」によって、新たな気づきを得て、学習を深めることができた。そして、この「手紙」をきっかけに、それまで共有することのできなかった感情や思いをキャッチボールするようになり、お互いの「関係性」が促進され、「先輩が“教える”、新入社員が“教わる”という一方向の関係」から、先輩自身も新入社員とのやりとりを通じて、気づき学ぶことができる「学び合い成長し合う、双方向の関係」へと発展したのである。

この事例で見てきたように、「経験の振り返りによる学習」「関係性」を促進する取り組みによって、職場で日常的にコミュニケーションをとりながら、自然な形で新入社員を育成できるようになり、育成する側にとっても、新入社員とのかかわりを通じたさらなる成長が可能になるのではないだろうか。

●人が学び育つ職場環境をつくるために

「経験の振り返りによる学習」や「関係性の促進による双方向の学習」をうまく支援することができれば、自然に「人が学び育つ職場環境」ができていくことになるだろう。

なお、「経験の振り返りによる学習」と「関係性の促進による双方向の学習」の詳細、それらを踏まえたうえで整えるべき「人材育成を促進する職場環境」のあり方については、次号以降で順次紹介していく。






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