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研修ネットコラム

著:日本能率協会 KAIKAプロジェクト室 山崎賢司

経営における『である』ことと『する』こと

 丸山眞男の著書『日本の思想』(岩波新書)のなかに、「『である』ことと、『する』こと」という評論があります。 そのなかでは「自由は置物のようにそこにあるのではなく、現実の行使によってだけ守られる、言い換えれば日々自由になろうとすることによって、 はじめて自由であり得るということなのです」と述べられています。

 これは経営やマネジメントの世界でも通用する思想だと思います。 何らかの権利や権限があるものとして「する」ことをしないまま、「である」状態で形骸化されていく例は様々なところでみられるのではないでしょうか。 たとえば一生懸命時間をかけてつくった経営理念があったとしても、それが壁に掲げられているだけでは「である」ことと同じです。 どれだけ日常のマネジメントや戦略に埋め込まで、社員一人ひとりの行動に反映されているか。そこが「する」こと化されている状態といえます。
 さらに同書では「(近代精神のダイナミックスは)まさに『である』論理・『である』価値から『する』論理・『する』価値への相対的な重点の移動によって生まれたものです。 もしハムレット時代の人間にとって、「to be or not to be」が最大の問題であったとするならば、近代社会の人間は「to do or not to do」という問いがますます大きな関心事になってきたと言えるでしょう」とも述べています。
 「自分が部長なんだから」という理由で指示や命令をする時代はもう終わっています。部長「である」ことと考えることに意味はなくなってきています。 部長たる行動を「する」ことからしか、意味や価値は生まれない時代なのです。
 さらに「する」に加えて継続する価値が増しているように思われます「し続ける」言葉で表すことができましょう。
 仮に何か事業のシェアを伸ばそうとするならば、ある一時期だけ「勝つ」だけでは本質的ではなく、「勝ち続ける」(求められ続ける)ことが求められるでしょう。 長期的に「勝ち続けるために」を考えると、「ある一回を勝つために」とは真逆の施策を行う場合があるかもしれません。また「勝つ」ことに対する解釈も各社各様でしょう。 むしろ考え「続け」、行動「し続ける」ことに大きな価値が潜んでいます。
 長期的視点に立って考察することは、経営の本質に近づくことができるとも言えます。 ステークホルダーはもちろんのこと、将来市場、将来顧客、あるいは社会全体とのかかわりを考えないわけにはいかなくなります。 そもそも会社組織は社会の課題を解決するために存在しています。 「わが社は一体どのような価値や課題解決を、現在あるいは将来の社会向けて行っていくのか」――これを真摯に自問自答することが、 ここまで述べてきた「KAIKA経営」の本質的な考え方です。 その自問自答をし続け、行動し続けること、「である」ことではなく「し続ける」ことに経営の穂に就てきなかちがあると考えています。



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