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研修ネットコラム

著:日本能率協会 KAIKAプロジェクト室 山崎賢司

小さな兆候と大きなうねり

 今、社内で社外で、身の回りで世界で…どんなことが起こっているのか?そこに感度を持っておくことはとても重要です。
それを「社会感度」と名付けています。社会感度を持つことは、開放型組織をつくるためにも、組織マネジメントにおいても必須の感覚ともいえるでしょう。 しかし社会感度といっても、起こっている事象をニュースとして知っておけば良いという意味ではありません。そのコツは、意識的に「マクロ」と「ミクロ」の視点を持つことです。
 今となっては驚くような話ではないかもしれませんが、例えば職場の男性同僚が、会社で初めて「育児休暇」を取得したという話があった際は、会社の中ではひとつのニュースでした。 それがひとつの「小さな兆候」です。ダイバーシティの考え方のひとつとしても、今後の社会において「当たり前」になっていくことが予見される象徴的な事象です。
 一方、働き方改革等を後押しするような、法的整備や大手会社の施策などをニュースで見ることもあるでしょう。それはひとつの「大きなうねり」といえます。

 感度をたてるべきものは、事業や会社を取りまく情報全体ですが、ミクロの視点で身の回りで、何が起こっているのか?それらからどんなことが予見されるのか? そして、マクロの視点で、世の中ではどんなことがニュースになっていて、それらは以前と比べてどう変わっていて、どう変わろうとしているのか?この大きな視点と小さな視点を行き来することが「感度を立てる」ということではないでしょうか。 感度の高い人は他人の意見を聞いたとしても、いったん偏見や先入観を排して事実だけを捉えるようにしています。 それが「小さな兆候」を見逃さないポイントにもなりそうです。一方、事実をしっかりとらえたら、似たような事実を探したり、真逆の事実を集めたり、時系列で並べたりして俯瞰的に変化を捉える必要もあります。 これが「大きなうねり」を見失わない視点の置き方といえるでしょう。

 このように「小さな兆候」視点と「大きなうねり」視点を行き来する動的なバランスが点を線に変えることになります。 日常的にお客様から聞いた話に含まれる「小さな兆候」の話をチームメンバーとかわしながら「これってあそこで聞いた話も近いのでは」と多面的に話すことで「大きなうねり」の仮説をつくる。 仮説をもとにさらに情報収集を重ねるなかから、様々な兆候を拾いつなげる……。これを同じチームで議論しながら進めることができると、チーム全体の社会感度があがり、共通軸での判断ができるようになってきます。

 日常的に見聞きする情報を分析していくだけで、「小さな兆候」は資産として蓄積されていきます。次はそれをどう生かすかが問われてきます。 得た情報を様々なフレームを使った分析し、一定の方向性を戦略として定めるという従来型の活かし方もあるでしょう。 一方、開放型組織においては常に動的でアンビバレントな状態を是とする考え方を取り込んでいます。 この発想から考えると、ある一時点の「小さな兆候」を拾うことに集中するのではなく、常時「小さな兆候」が入り込み、それを踏まえた「大きなうねり」を捉えている状態をつくることこそが重要といえます。
 たとえば役員会の議題で中期経営計画を論じる際、「小さな兆候と大きなうねり」を傍らで話題にするとどうなるか、新事業検討会議の時に「小さな兆候と大きなうねり」に対する個々人の見方の違いを論じるところから始めたらどうなるか…。 変化をはじめから取り込んだ思考が議論に取り込まれ、結果として変化対応力の高い、循環状態を生み出すことができる発想やアイデアが生まれてきやすくなるのではないでしょうか。



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