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著:日本能率協会 KAIKAプロジェクト室 山崎賢司


ギャップ・アプローチの対極「ブリコラージュ・アプローチ」って?

課題解決の手法として「ギャップ・アプローチ」というのを取り上げてきました。しかし、「ありたい姿」がいつも明確に描けているとは限りません。

 まだ店の「ありたい姿」が明確でない、アクセサリー販売店のオーナーが客の少なさに悩んでいるときに、あるお客さんが「こんなアクセサリー、私でもつくれるかしら」とリクエストされたとします。「何人か参加するなら教室にしてもいいですが、お一人だけだと…」と返事をすると、「じゃ、私の友達何人かよんでくるから」と言われ、教室開催ができることとなりました。実際にやってみると好評で、参加者が協力するから毎月やろうという話になり、定例教室が催されることとなりました。

 教室に来るファンが増えると、店のオーナーの意識としても、アクセサリーを販売する場だけから、好みに合うアクセサリーを共同開発する場へ変わっていくでしょう。お客さんの声を聞きながら、また違う種類のアクセサリーを仕入れ、個人の好みにあわせたアレンジメントを請け負うこともできます。

 ありたい姿を先に据えると、基本的にその姿は現状より高いレベルのものとなり、そこに向けた右肩上がりの姿を描くことになります。しかし顧客の関心を基軸にすると、提供側が当初は気づいていなかったことが魅力になったり、当初予定とは異なる展開に広がったりすることがあるでしょう。完成系の姿より、つねに更新され続けることが重要になります。

 人類学者のクロード=レヴィ・ストロースが使った「ブリコラージュ」という言葉があります。ブリコラージュ(Bricolage)とは「寄せ集めて自らつくる」「物を自分で修繕する」ことを指す単語で、「繕う」を意味するフランス語の動詞「bicoler」に由来します。転じて、その場で手に入るものを寄せ集め、何がつくれるか試行錯誤しながら、最終的に新しいものをつくることを意味するようになりました。

 ギャップ・アプローチに対し、試行錯誤をしなsがら新しいものを生み出すアプローチをブリコラージュ・アプローチと呼ぶことにします。成熟市場の中で自社の強みを出していく時、「関わる価値」を紡ぎ、つながった線から「第三の何か」が生まれる可能性のあるブリコラージュ・アプローチも使ってみてはいかがでしょうか。

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