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研修ネットコラム

著:日本能率協会 KAIKAプロジェクト室 山崎賢司

競争優位の時代はもう終わり!サービスの差異が出にくい理由

 これまでの企業の考え方として、大きな顧客層のなかから利益を得られそうな顧客群を設定し、そこへ財・サービスを提供してきました。 新規顧客獲得に対しては、宣伝広告や営業活動を増やして認知を高め、既存顧客の継続については満足度の分析と改善を重ねてきました。

 このように購買層になりうるかどうかと見るのではなく、自社活動に何らかの「関わり」をつくれるかどうかという見方をすることもできます。

この尺度でみると、「購入したけれども単発の関わりに終わった」人よりも、 「まだ購入していないがPRイベントへの参加など、継続的な関わりを持っている」人のほうが注目層となり得ます。

たとえばあるキッチン用品メーカーが新製品を検討しているとします。 おそらくこれまでにない画期的な製品を生み出すことは、そう簡単なことではないでしょう。

しかし、新しいニーズは、必ずしも画期的な商品にあるわけではありません。 実は、商品開発の過程に関わることそのものが、顧客にとっての価値になる場合もあります。

 顧客にプロセスから関わってもらうことは、企業側にとっても様々な発見が得られます。 キッチン用品の例で、たとえばシニア夫婦の視点から見た商品コンセプトを考えるために、複数のシニア夫婦に参加してもらう商品開発の場を設けたとします。 実際のユーザーの声を聞くことも新たな発見ですが、実はそこで、シニア夫婦同士のコミュニティが生まれ、そのコンセプトにもとづく料理教室や料理雑誌にまで企画は発展するかもしれません。

 こうした動きは、企業側が当初から意図・設計しきれるものではありません。 逆に、設計しきれない広がりの余地があることで、おもしろさや期待が生み出されるものともいえます。 意図を超えて半ば勝手に連鎖が広がることは、「関わる価値」を増やす大きな手掛かりです。

一方で、対象やニーズを絞らないとマーケティングにならないという考え方もあるでしょう。 もちろん基本の考え方は常に重要です。ただし、「関わる」ことへの価値も企業にとっての資産です。 その資産を持つかどうかが、企業間、商品間の差異を生んでいく時代にもなってきています。

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